Monique DiMattina / In New Orleans: Nola’s Ark (2013) – 山岸潤史

ディストーションサウンドがないので安心して?聴けました。

 1. Young At Heart
 2. Dig A Hole
 3. No More Coffee
 4. Let's Do Something Bad
 5. What's In A Kiss
 6. C'est Tout
 7. I'll Be Seeing You
 8. Bring On The Rain
 9. Numb Fumblin'
10. Black Cat
11. Godzilla
12. You Fool You
13. Black Cat (reprise)



 


 
Monique DiMattinaの2013年の作品です。オーストラリアのSSWですが、N.O.の音楽に触発され制作されたという本作は、カバーと自身のオリジナルで構成されており、共同プロデューサーのMark Bingham(Charmaine NevilleThe Yockamo All-Starsのプロデューサーも務めています。)人脈と思われる現地のミュージシャンを集めてレコーディングされています。(付属のブックレットにはスタジオ内の様子が掲載されており、主役とメンバーが肩を組んだ写真や個別の演奏写真があります。山岸さんはアコギをプレイする写真です)
新宿ユニオンのSoul&Blues館には、一時期Bluesコーナーに続いてNew Orleansコーナーがあり、移住した山岸さんの参加作を探して頻繁にチェックしていた中で、2015年頃、裏ジャケに山岸さんの名前があった本作を見つけました。楽曲どころか名前も聞いたことがないアーティストでしたが、デジパック仕様の中古盤で1000円程度とそれほど高くないため、即買いしました。ジャケットの写真も21世紀とは思えない素敵なセンスです。


<ギターの聴きどころ>

ゆったりとした1、クラリネットの柔らかい音色に続いて山岸さんのタメたプレイが続きます。ヴォーカルが始まると四つ切りでコード感を演出します。
古いR&B感のある2ではシンプルな7th系のカッティングです。
Bessy Smithを彷彿とさせるJazz Bluesの3,オブリはオルガン・ピアノとに任せてアコギによるコードの刻みです。4も刻み。
5も刻みで、アコギのサステインの少なさを逆手に取った転がるようなソロもあります。
マイナー調の6,ロングトーンと細かいフレーズをくみ合わせた抑揚のあるソロが聴けます。繰り返しフレーズのところ、Santanaの「Moon Flower」を思い出しました(山岸さんもSantanaファン)
Bluesの8では、弾けるようなフレーズでスタートし、マイナーとメジャーのペンタを巧みに組み合わせたソロが見事です。
10では、怪しいムードを盛り上げるような効果音的なオブリを入れ、ヴォーカルにレスポンスします。この曲は微かにナチュラルドライブサウンドです。
Bossaのリズムの11も怪しい緊張感を感じさせます。山岸さんはシンプルなバッキング、スタッカート気味ながら強いピッキングのオブリやソロで、クール感とホット感が同居するようなムードを演出します。
12もアコギによるコードの刻みですが、ジャストのリズムではなくかなりのタメや揺らぎを感じます。
アルバムを通して、N.O.の古いJazzやBlues感があり、ゆったりと聴くことができます。(山岸さんの一連のN.O.での参加作にあるヘヴィなFunkやディストーションサウンドによるソロはなく、激しさや熱さを求める向きには適しませんが、むしろ私はこっち方面が好みです)
これから秋に向けてぜひ聞いてみてください。










Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡♡♡
Mellow度♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡♡

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