George Benson / In Your Eyes (1983) – Paul Jackson Jr.

硬質なリズムギターと芳醇な主役のサウンドとの対比が興味深い名作です。

A1. Feel Like Making Love
 2. nside Love (So Personal)
 3. Lady Love Me (One More Time)
 4. Love Will Come Again

 
B1. In Your Eyes
 2. Never Too Far To Fall
 3. Being With You
 4. Use Me
 5. Late At Night
 6. In Search Of A Dream
 


 
George Bensonの'83年の作品です。"Breezin'"~"Living Inside Your Love"まではTommy LiPuma、前作の”Give Me The Night”では Quincy Jonesと名プロデューサーの元での制作でしたが、本作ではなんとSoul畑のAlif Mardin
を迎えています。(Arethaなど、弊ブログで紹介した作品でもプロデュースを担当したヒットメイカーです)
前作でのグラミー書受賞の勢いに乗ってアルバムを連発するかと思いきや、3年空いてしまいました(その間にArethaのアルバムでデュエットしたりしてますけど)本作も、制作陣、バックミュージシャンとも超豪華なメンバーを集めて気合いと予算が投入されており、ヒット曲のカバーのA1などよりヴォーカルに軸足をおいたヒット狙いで製作され、プラチナとなりましたが、評判的にもセールス的にも前作を超えることはありませんでした。
James Cottonのライブ再発を機にようやく購入したCDプレイヤー、安物だったせいか世間で絶賛されていた音の良さは特に感じることもありませんでしたが、せっかく買ったので色々試してみたくなり、Tower(あの頃はタワレコなんて誰も言ってませんでした)で物色していたところ、今井美樹さんも取り上げていたA1が入っていた&赤シールセールで安かったので本作を購入しました。10年後にLPを安箱から100円で購入しましたが、こっちの方が断然音が良かったことに驚きました!なお、個人的には、数あるBenson様のアルバムの中で、前作ともども気に入って聴いている1枚です。


<ギターの聴きどころ>

トレイに入れると、いきなりあの曲がアップビートで飛び出し驚きます。でも、これはこれでいいかもと思いつつ、このシャリーンとしたカッティングはもしや?と思ってインナーを見てみると案の定PJJでした。本作でのバッキングギターは、PJJのようで、A4,B2,B3,B4でもトレブル10、ミドル0、ベース0のアンプセッティングと思しきサウンドで軽快にリズムを刻んでいます。B1ではミュートで、GaleやRitenourのポコポコとは対照的にチキチキとしか聞こえません。のちのPJJへのインタビューによると、この頃はEMG搭載のValleyArtsのストラトを使っていたとのことで納得です。独特のサウンドですが、Will Leeの図太いベースや各ドラマーとの相性はバッチリです。逆に、歴代起用したGale,Upchurch,Ritenourのバックでは、本作で狙った「ブラコン感」が出ないかもしれません。さすがはArif Mardin!
Spinozzaもクレジットされていますが、器用さが災いした没個性的なプレイとサウンド、どの曲での参加なのかはわかりませんでした。A3あたりがそうなのでしょうか?
評論や紹介などでは、本人のギターは抑え気味と書かれていますが、確かにインストは2曲しかないものの、そのインストも他の曲でヴォーカルの合間に弾くフレーズもメロウ&エッチ&弾き過ぎのバリバリのBenson節で、決して物足りないものではありません。裏ジャケには愛機GB10とのツーショットもあり、決してギターを蔑ろにしてはいません。バブル初期のブラコン好きの女子大生&それを狙うナンパ男子、それとは無縁のギターマニアいずれにも受け入れられる硬軟取り混ぜた名作です。最近はアナログの値段が上がってきて??ですが、ぜひ聴いてください。

蛇足ながら、以下は妄想です。
GB = George Benson, AF = Arif Mardin, PJJ = Paul Jackson Jr.

GB:Mardinさん、今度はいいジャケにしてくださいよ!スーツに赤いチーフでいいっすか?前回変なセーターだったんで!
AF:いいよ!
GB:それから、リズムギターはいい奴連れてきてください!頑固な先輩とか変なフレーズ弾く先輩とかパクる後輩じゃなくて!そして俺と被らない奴!
AF:最近売り出し中の良いのがいるよ!Paul Jacksonて言うんだけど、ぶっといサウンドのベーシストじゃない方!素直でいい子だよ。
PJJ:よろしくお願いします。(モジモジ)
GB:(田舎くさいけど、ヒゲといい髪型といい細身の体といい、つぶらな瞳も俺と似てるな・・・歌なんか歌われたら将来俺のライバルになるかもしれない・・・今のうち芽を摘んでおこう!)
GB:よろしく頼むよ。まず、ギターは俺がフルアコの芳醇なサウンドだから被らないようにストラトなんかいいんじゃないか?ソロもないから固い音でいいよ!トレブル10、ミドル0、ベース0ね!
PJJ:わかりました。(セットする)シャリーン
GB:(これで歪ませたらAlbert Collinsだな・・・・、極端だけどまあいいか!)当面(変に歌に色気を出したりせず)ギターに遷延した方がいいよ!それから、ミュージシャンは体が資本だからたくさん食べておいた方がいいよ!(太らせてやれ)、この後、ハンバーガーとピザとフライドチキンとドーナツ奢るよ!(マックとドミノとケンタッキーとミスタードーナツの一番安いやつだけど)
PJJ:ありがとうございます。(出されるだけ食べて現在の姿となる)
GB:(これで安心)

その後、PJJはBenson先生同様、フルアコを使いファットなサウンドも併用しますが、サウンド同様ファットになってしまった体は2度と戻ることはなく、歌にも興味を示さなかったのでBenson先生の人気を脅かすことはありませんでした。
めでたしめでたし。

フイクションです。ファンの方すみません。







Emotional度♡♡♡♡
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酒のお供度♡♡♡♡

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