Bill Withers / Watching You Watching Me (1985) -Paul Jackson Jr.

個性的なカッティングサウンドに加えて、激情のソロも聴けます。

A1. Oh Yeah!
 2. Something That Turns You On
 3. Don't Make Me Wait
 4. Heart In Your Life
 5. Watching You Watching Me

 
B1. We Could Be Sweet Lovers
 2. You Just Can't Smile It Away
 3. Steppin' Right Along
 4. Whatever Happens
 5. You Try To Find A Love
 


 
Bill Withersの'85年の作品です。32歳での遅咲きのデビューながら、70年代頭から活躍、結構な数のヒット曲を出しており、「Lean on Me」や「Use Me」「Ain't No Sunshine」「Lovely Day」など、カバーされた曲も多数あります。
作詞・作曲・プロデュースを曲によってはCarltonやMichel Colombier、Ralph MacDonald等と共同で行いつつも、基本は本人が対応し、前作から7年のブランクを感じさせない意欲作です。(その間、Grover Washinton.Jrの"Winelight"やクルセの”Rhapsody And Blues”、Ralph MacDonaldの”Universal Rhythm”に客演し、完成度やセールスに貢献しています)
高校時代にFMで「Just The Two Of Us」やA5を聴いて気に入り、レコード店に探しにいったところ、本作(日本盤)が置いてあり、Carltonが絡んでいることを知って早速購入しました。「Just〜」や本作を先に聴いてしまったので、クリスタル方面のオシャレ路線の人なのかなと思っていたのですが、上京後遡って他の作品を聴き始めると、暖かくて素朴、力強くも優しさを感じる曲が多く、ギャップを感じた記憶があります。本作リリース後、音楽業界に嫌気がさして引退してしまった気骨、本質は初期の作品にあるように感じております。(本作や「Just〜」ももちろん名作ですが)最終作が最初に聞いたレコードであったというのも皮肉な巡り合いでした。




<ギターの聴きどころ>

プロデュースや曲作りにも参画したCarltonのプレイも期待したのですが、インナーのクレジットを目を皿のようにして読んでも作曲とプロデュースのみで、本作ではギターは弾いていませんでした。とはいえ、乏しいバイト代から2,800円の大枚をはたいて購入した貴重なレコード、なんとか元を取らねば、と早速聴きます。
Carltonも噛んでるA1,なんとキャッチーな!イントロだけ流れるNathan Eastのベース(後は打ち込み)とエレピの絡み、コーラスがかかったシャリーンとしたカッティング、暖かく滑らかな声で歌われる美しいメロディ、ウキウキとするような曲で一聴して虜です。硬質なカッティング、クレジットを見るとPaul Jackson Jr.とのこと(すでに聴いていたStevie Woodsの作品にも参加していたので名前は認識していました)、Carltonとは全くタイプが異なりますが、Carlton不参加の穴を埋めて余りある個性的なサウンドとプレイです。(Wikiでは、この曲のギターMichael Landauと書かれていますが誤り?)
A3では一転してマイナーのアップで、ミュートを駆使したバッキングと硬質なカッティングの組み合わせです(コピーできませんでした)。中間部では、ハードなディストーションサウンドによる激情のプレイが飛び込んできました(コピーしました)クレジットにはギターは一人しか書かれていないので全てPJ Jr.のプレイです。
一体何者?当時はネットなどないので情報が全くなく、親しくしてくれていたレコード店の店員さん(めっちゃ詳しい)に聴いたところ、新進気鋭のロイクなセッションミュージシャンと教えてくれました。その後、受験のためにレコードとギターは封印したため、上京後に参加作を探し始めました。多くのレコードに名前がクレジットされており、とてもとても全て帰るものではなく、安箱ものを中心に少しずつ買い集めました。(西海岸の人のためか、David T.の参加作にも数多く名前を連ねています)
今にして思うと、当時の日本のスタジオミュージシャンのストラト+コーラスでのカッティングサウンド、PJ.Jrの影響だったのでしょうか?
FMで聴いたA5はDann Huffがギターです。(この曲はGrover Washington Jr.のアルバムが先にリリースされましたが、レコーディングはこちらが先のようです)
なお、'75年の"Making Music"には、David T., Wah Wah Watson, Ray Parker Jr.が参加しています。いずれご紹介できればと思います。






Emotional度♡♡♡♡
Bluesy度♡♡
Mellow度♡♡♡♡♡
酒のお供度♡♡♡♡

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